小さいころ、近所に住む3歳くらいの子供が4階から落ちた。奇跡的に命はとりとめたものの、脳をやられて知的障害者になった。 頭の包帯もとれ、公園で遊べるようになったものの、いつもアーとかウーとかしか言わなくなった。 そしてよく分からない契機で癇癪を起こして暴れる。小さい子どもだからジタバタするだけだった。 その子が小学校1年くらいになった頃にはだいぶ力もついてきた。 相変わらずアーとかウーとかしか言わない。 ひとつだけ変わったのは、小さい子供をつれたお母さん達が彼から自分の子どもを引き離すようになったことだ。 話をしても通じない。突然暴れる。どこ見ているのかわからない。 よくよく見ていると、怒り出すきっかけも分かってきて、彼なりの優しさがあることもわかる。 でも、それは長い付き合いがあってこそわかること。 お母さんたちが怖がるのはとてもアタリマエのことだった。 しばらくして、彼のお母さんは公園