アート・ディレクター時代にロバート・フランクの写真の撮りかたを見て衝撃を受け、仕事を辞めて写真をはじめた。1962年のことだ。「フランクやアンリ・カルティエ・ブレッソンのように、ヒューマニティの根源を表現するような、また、人の生きるという体験を表現した写真のスタイルに、多大なる影響を受けた」 ブロンクス生まれの生粋のニューヨーカーであり、カラー写真の、そしてストリート・フォトグラフィーの草分けといわれる。「若いころは、この街のすべてが発見だった。人生の意味を学び、被写体のジェスチャーがもつ社会的意味を学んだ。歳をとってからは、自分のアイデアを表明するための場所としての意味合いをもつようになってきた」 世界貿易センターの倒壊後、1年間に渡り、跡地を内部からドキュメントした。「起きた事件、失われた多数の命、現場で写真を撮りたいという欲望、労働者たちの血のにじむような努力、すべてがエモーショナル