津波で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市では、日本百景に選ばれた名勝「高田松原」も無残に削り取られた。だが、約7万本の松林のうち1本だけは津波の猛威を耐え、がれきの中で空に向かって立っている。 岩手県観光協会によると、高田松原は弓なりの砂浜に1667(寛文7)年、地元の豪商が防潮林として約6千本の松を植えた景勝地。毎年15万人が訪れる東北有数の海水浴場としても知られる。 残った松を見た同市の男性運転手(57)は「あの津波でよく残った。地元では、不屈の精神を感じて『希望の松』と呼ぶ人もいる」と語った。。(4月2日、宮川浩和撮影)