「何言(なにい)ってんだ、お前(まえ)!」 アティシュリは怒(おこ)って言返(いいかえ)します。 「俺(おれ)は、またここに来(き)て、お前と昔話(むかしばなし)でもしようと思(おも)ってんだぜ。ついでに、同胞(はらから)のレケジダルハも連(つ)れてくるつもりだ」 「気持(きも)ちはありがたい。だが、もうこの世(よ)に、私(わたし)があるべき理由(りゆう)は無(な)くなった」 ミトハトは、少年(しょうねん)のように澄(す)んだ瞳(ひとみ)でガランとした広間(ひろま)の中(なか)を見回(みまわ)しました。 「アイダンが死(し)に、思(おも)い出(で)の品(しな)も無くなった。過去(かこ)に私のことを見知(みし)っていた者(もの)も、アイダンより年上(としうえ)ばかりだ。700年(ねん)を経(へ)れば、ほとんどが異相次元(グクレル)に渡(わた)ってしまっただろう」 しめやかな声(こえ)が深々(