…ここで、定義を設けておきたい。 文明は「たれもが参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの」をさすのに対し、文化はむしろ不合理なものであり、特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもので、他に及ぼしがたい。つまりは普遍的でない。 文明の場合、そのやり方と道具をそろえさえすれば、たれでも参加できる(普遍化する)のである。簡単なとりきめだけで、万人が参加できて、しかも便利であるものを文明と考えたい。 異文化(エスニック)もまた文明材になるときがある。たとえばジーンズは二十世紀のはじめ、デトロイトの自動車工の労働服だったという点で特異かつ少数者のものであったのが、アメリカ内部の普遍化作用のなかで吸いあげられ、世界にひろまったとき、あたらしい文明材になった。 (いずれも、司馬遼太郎の各種のエッセイより) さて、ところで 『君の名は。』中国で大ヒット!その規模の大きさと現地の様