開成と60年をともにした生き証人、元名物漢文教師の橋本弘正氏と、昭和63年卒の衆院議員、井上信治氏が開成への思いと実情を語り尽くす。 上には上がいることを知る 井上 僕が開成に入って面食らったのは、まるで勉強しているように見えないのに、成績がいい同級生がたくさんいたことですね。 橋本 各小学校で「神童」と言われてきた子どもたちが集まる学校ですから、入学してまず知るわけです。上には上がいると。私もそうでした。 井上 それで入学早々に成績で勝負するのは諦めて、勉強しなくなる人間がけっこういる。僕もそのクチで、成績は最悪でした。 橋本 でも開成は座標軸の多い学校で、勉強ができなくても、別のことに秀でていれば、それなりの尊敬を集めることができる。 井上 それでも学内のヒエラルキーは、最終的には頭の良さで決まるところがある。特に、遊びほうけているのに成績トップ。一体あいつ、いつ勉強しているんだろう・