「猫送り」とは猫の祟りを払うために行われる呪法のこと。日本各地に伝わる厄神を追い払う習俗・行事である「神送り」の一種とされる。「神送り」は総称で、「虫送り」「疱瘡神送り」「狐送り」「人形送り」等、払うものや依り代の名が付けられている場合が多い。 岩手県江刺郡梁川村(現奥州市)で行われていた「猫送り」の事例として、猫に祟られて病気になったときなどに「猫」という文字を書いた板を四辻に立てて厄払いをしたとある。人々はこの板にさえ近付くことを怖れ、遠回りをしたという。 当館所蔵資料のうち、下記資料に「猫送り」の記述を確認。 ・『定本柳田国男集 第13巻』柳田 国男∥著 筑摩書房 1963 p.460「ネコオクリ」 ・『猫の民俗学』大木 卓∥著 増補 田畑書店 1979.9 p.217~227「猫を捨てる法」 >p.223~225「猫捨ての辻」 ・『図説憑物呪法全書』豊嶋 泰国∥著 原書房 2002