意識が近視眼的な状態になっているときは、岩波文庫の青を読むようにしている。それは、岩波の青であれば題材は何でもいいというか、もっと言えば形而上学的な読み物であればよい。要するに、近視眼的に目の前の事物に夢中になっている意識を少し横にびよーんと広げられれば何でもいい感じはある。 最近読んだのは、ショーペンハウアー『読書について 他二篇』だ。これはなかなか面白かった。超ざっくりまとめると、「自分の頭でよく物事を考えろよ! 読書はあくまでその補助だぞ!」というようなことがいろいろと書いてある。 アフォリズムなんていう言葉で形容されたりもするけど、ショーペンハウアーの文章は読み手を「ははーん」と得意げにさせてしまう魅力がある。変に小難しい言葉を使わずに物事の本質を言い当ててくれる感じ。その癖、微妙に捻くれている感じもあるから可愛げがある。「ははーん」となっちゃう感じがあるんだよな。 ★★★ そう言