ブックマーク / honzaru.hatenablog.com (4)

  • 『がん消滅の罠 完全寛解の謎』岩木一麻|結局、がんというのは何ものなの? - 書に耽る猿たち

    『がん消滅の罠  完全寛解の謎』岩木一麻 宝島社[宝島社文庫] 2023.12.04読了 副題の一部になっている「寛解(かんかい)」の意味は、医学用語で「がんの症状が軽減したこと」である。つまり、完全寛解とは、がんが完全に消滅して検査値も正常を示す状態のことである。 (目次の次頁に記載) 岩木一麻さんのデビュー作にして第15回このミス受賞作である。ドラマ化もされていたみたいだけど、全然気付かなかった。久々の医療ミステリで存分に楽しめた。ただ、こういった「がん」を扱うなど生死に関わる医療がテーマとなると、身近で辛い思いをする人がいる場合に、どうしても心から楽しめない自分がいる。しかし小説なのだから、それはそれとして。 余命宣告を受けた患者が生命保険の生前給付金を受け取った途端にがんが消えて健康になる。奇跡のような事象が連続して起こっていることに疑問を持ったがんセンターに勤務する夏目、疫病研究

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    fwss 2023/12/11
  • 『ルポ路上生活』國友公司|太ったホームレスがいるんです - 書に耽る猿たち

    『ルポ路上生活』國友公司 彩図社 2023.11.20読了 住む場所の近くに、散歩やジョギングが出来るような道があるかどうかは私にとって結構大きなポイントになる。できれば信号を渡る回数が少なく、なるべく見晴らしがいいコースが良い。そうでないと、家を出るのにおっくうになる。今の住居に移り住み、最初にコースの散策をした時(夜遅い時間)に、何も知らずに川沿い(ちょうど高架下)の奥の方を歩いたら、ホームレスの家(家というかテント)がたくさん並んでいるエリアに入った。何をされるわけでもないと思うが、夜間で照明もほとんどなく、暗くて静けさが不気味だったから少し怖い思いをした。 近隣の人であれば知っていただろうが、その界隈はホームレスの人たちが暗くなってからテントや寝床を広げる場所であった。独特の雰囲気がありやや不気味。目をそらせてしまう。でも、彼らはどうやって生活し何を感じて生きているのだろう。この作

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    fwss 2023/11/26
  • 『サキの忘れ物』津村記久子|本は「おもしろい」とか「つまらない」だけではない - 書に耽る猿たち

    『サキの忘れ物』津村記久子 新潮社[新潮文庫] 2023.11.7読了 サキという人が忘れた物のことではない。O・ヘンリーと並んで短編の名手とも言われている「サキ」という海外小説家のが喫茶店に忘れられていた。私はサキの作品はまだ読んだことがない。 小説家からすると、小説を全く読まない人の視点にたった話はさぞや難しいんじゃないかと思ったんだけど、もしかしたらを読むきっかけとなった体験も含まれているのかな。 その話を読んでいて、千春は、声を出して笑ったわけでも、つまらないとを投げ出したわけでもなかった。ただ、様子を想像していたいと思い、続けて読んでいたいと思った。は、千春が予想していたようなおもしろさやつまらなさを感じさせるものではない、ということを千春は発見した。(30頁) 私はこうして読了するごとにブログを書いているが、実際にはストーリーがおもしろいと思えるは10冊に1冊もなくて

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    fwss 2023/11/25
  • 『柴田元幸翻訳叢書 ブリティッシュ&アイリッシュ・マスターピース』|怪奇小説よりの粒揃いの名作短編 - 書に耽る猿たち

    『柴田元幸翻訳叢書 ブリティッシュ&アイリッシュ・マスターピース』柴田元幸/編訳 スイッチ・パブリッシング 2023.10.14読了 愛でたくなるような美しいだ。柴田元幸さんが厳選し自ら訳した英文学の短編傑作が12作収められている。この叢書シリーズには、姉妹編として『アメリカン・マスターピース古典編』というがあるようだ。 ひとつめのジョナサン・スウィフト著『アイルランド貧民の子が両親や国の重荷となるを防ぎ、公共の益となるためのささやかな提案』という短編にまず驚いた。まぁ、そもそもタイトルがやたらと長い。で、中身はというと、一歳になる子供を用にするという、なんたる提言かよ…。しかし読み進めるうちに、これが皮肉・風刺が効いていて楽しい。ささやかな提案どころか強烈極まりないのだが笑。スウィフトといえば『ガリバー旅行記』しか思い浮かばず、それも子供の頃に読んだ記憶があるだけ。柴田さんが訳した

    『柴田元幸翻訳叢書 ブリティッシュ&アイリッシュ・マスターピース』|怪奇小説よりの粒揃いの名作短編 - 書に耽る猿たち
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    fwss 2023/10/20
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