【ワシントン=犬塚陽介】米国務省は17日、世界各国の宗教の自由に関する年次報告書(2010年版)を発表した。中国など8カ国を宗教弾圧で「特に懸念のある国」に継続して指定した上で、中国政府は弁護士や活動家の取り締まりを続けており、昨年7月の暴動後から新疆ウイグル自治区での宗教弾圧を強化していると指摘した。 クリントン国務長官は記者会見で「チベット仏教徒や(政府未承認の)地下教会のキリスト教徒、ウイグルのイスラム教徒が嫌がらせを受けているとの報告がある」と述べ、中国政府を批判した。 報告書は「(中国では)憲法で通常の宗教活動が保障されているが、当局者は何が通常なのかを幅広く解釈できる」と述べ、宗教的な集会が妨害されたり、違法な宗教活動を理由に逮捕されたりするケースもあるとした。 特に昨年7月のウイグル暴動後、すでに厳しい制約が課されていたイスラム教徒の宗教活動を著しく制限。チベット仏教最高指導