gqjapan.jp ほんの数百字の短い記事だが、もう、なにもかも、まるっきりうんざりする記事だ。「過去が縦軸から横軸になった時代」だの、「どんな音楽にも分け隔てなくアクセス」だの、「広大なアーカイブの海を巧みに泳げる」だの……そしてとどめにはこうだ。 そしてもしかしたら、マンチェスターの中学生がフジロックのサチモスの動画で音楽に目覚めるかもしれない。エキサイティングな時代になった! このライターはどこまで本気でこれを書いているのだろうか。言っておくけど僕は「そんなことはありえない」と言いたいわけじゃない。「そんなことはあまりにもありふれている」からこそ、このライターの正気を疑うのだ。90年代にインターネットの夜明けを目撃した人々が抱いた過剰なオプティミズムがいま突然冷凍睡眠から目覚めたみたいな、そんなアナクロニズムにまみれた文章だ。これとそっくりそのまま同じ文章が00年前後のカルチャー誌