東日本大震災の津波で太平洋に流れ出た船などに付着し、生きたまま米国やカナダに流れついた生物が289種類にのぼることが米オレゴン州立大などの研究でわかった。自然に分解されにくいプラスチックなどの人工物の影響が大きく、漂流の間に繁殖したとみられる例もあったという。 【写真】米ワシントン州に漂着した岩手県の漁船のなかにいたイシダイ=2013年3月、A.Pleus氏撮影 29日付の米科学誌サイエンスに論文が掲載された。 研究チームは2012~17年、北米大陸の西海岸やアラスカ、ハワイに到達した船や桟橋、ブイなど634の漂着物について、付着したり中に入り込んだりした生物を調査。二枚貝やフジツボ、ホヤの仲間やイシダイなどの日本由来の生物289種類を確認した。 震災から6年近くたって生きた状態で漂着したものもあった。それまで現地に生息していなかった種もいたという。明治三陸地震(1896年)や昭和三陸地震