内定を取り消された男子学生。就職活動を再開せざるを得なくなった=東京都内、宮崎健撮影 今春就職予定だった大学生の内定を取り消す企業が今シーズンも出ている。企業の「内定切り」が2008年度相次いだため、厚生労働省は、採用計画が不適切な企業を公表するなどの対策に乗り出している。しかし、今季も業績悪化を理由に内定辞退を迫り、中には、学生に「この件にはかかわらない」と、多額の現金を渡して約束させた企業もあった。 東京都内の私立大工学部4年の男子学生(21)は昨年12月初め、入社予定だった製造業向け技術者派遣会社から「内定取り消し」を正式に告げられた。「この件には今後一切かかわらない」とした合意書にサインし、今年1月に補償金100万円が振り込まれた。自分を含め、同様の学生が3人いたと聞かされた。 その際、担当役員は「会社自体は続いており、新卒採用もやっていくので、大学との関係は切らずに対応させ