なぜ「松坂」という固有名詞には「世代」という単語が続くことになったのか。今回、特集の取材に出る前にふと疑問に思った。 王貞治、江川卓、清原和博、松井秀喜……。松坂大輔より前にも甲子園に怪物はいた。だが、それはあくまで個人を指すものであり、周囲からあまりにも突出し、それだけで認知される固有名詞が独り歩きする様が怪物性をより浮き彫りにしていた。 だって、みんなと肩を組んで歩く怪物なんて、それっぽくないではないか。にも関わらず、妙にしっくりと響く「松坂世代」という言葉の正体は何なのか。それが知りたかった。 世代の中でおそらく投手としての松坂と、最も“対話”を重ねた選手は小山良男ではないだろうか。横浜高校の主将であり、正捕手だった彼は春夏連覇のフィナーレまで、言葉だけではなく白球も介して、その心情を受け止めてきた。そんな小山が19年経った今も松坂に聞きたくて、聞けないことがあるという。 松坂は、小
![松坂大輔に19年間聞けずにいること。「だったら首振ってくれよ、と」(鈴木忠平)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9b27f54fd08acffeb14a845f1143de51497227be/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2Ff%2F-%2Fimg_ffe7b232f48f6f15f92868d010d3fc9787201.jpg)