ノンフィクションの舞台を訪ねて 陸前高田への旅 みぞれまじりの空の下、車窓から鉛色の海が見えた。いかにもリアス式海岸らしい入江になっていて、風があるのか波が高い。「この先、津波浸水区域」と書かれた道路標識を、私たちを乗せたバスは通り過ぎて行く。あれから13年。 「広田湾だ! 高田だー!!」山側の座席にいたはずの竹内さんが、海側の席に移ってきて、はしゃいでいる。彼女は何度も通った道だが、私が陸前高田を訪れるのは初めてだ。きっかけは、1冊の本だった。2016年11月に刊行された『奇跡の醤(ひしお)』。 陸前高田に200年続 町のすてきな本屋さん サンブックス浜田山 「え? なに、この本屋さん、もしかして……なんか、すっごくおもしろくない!?」 スーパーの広告にアイスの特売が告知されていた。それだけの理由で降り立った、京王井の頭線浜田山駅。ふと見ると、駅前に本屋さんがある。吸い寄せられるように店
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