しばらく見ぬうちに思わぬ変化をしていると言う事は世の中に数あるものでございまして、よその子などこれはよっぽど引っ張り上げたに違いないと思わせるほど背が伸びたりしていて変貌を遂げておりますから、一寸の油断が大きな驚愕につながって参ります。 色の白い君さんは人より一寸立派な巨体を自転車に乗せてゆらりゆらりと現れて参ります。 サーカスの白熊が自転車乗りの芸をしているかのごとくですから、どこやらの国で作った安手の自転車などは気の毒なもので、何もあそこまで自転車をいじめることもなかろうにと同情を買う始末と成っております。 君「浪士さんよう・どがなんかな」 浪「ほいきた、今日も自転車苛めに精が出るのお・ちったあ加減しちゃらんと自転 車の親が我が子が不憫じゃと泣いとるで」 浪「世間の宛がい扶持の冷や飯に漬けもんで青息よ・・君さんはどうな?」 君「そりゃぁあんたの努力が足らん、わしは朝新聞配って、ついでに