中年の逆襲――。かつてオートレースの頂点を極めた男がその後低迷し、目標を失ったまま“凡人”になってしまうケースは多々ある。数字で評価されるプロの世界ではなおさらのこと。オートレーサーの若井友和(41)が3月の川口開設記念を制覇。12年ぶりのGIタイトル奪還となり話題を呼んだ。その後も勢いは止まらず。返す刀で4月の山陽GIもブッコ抜いてしまう荒業を披露した。一時は川口ナンバーワンのプライドも燃え尽き、心が揺らいだ時期もあった男がここまで復活した裏には何があったのか。 12年ぶりの戴冠劇となったヒーローインタビューの舞台でちょっぴり恥じらいながら地元ファンの前で正直な胸の内を明かした。 「僕なんかもう終わった選手だと思ってました」 デビュー3年目にGIを制し、25期同期では一番乗りでSG制覇。その後、S級トップクラスの座に位置しながら、タイトルとは無縁の日々が続いた。 「20代のころは一体どこ