No.142「酩酊して交通事故を起こして搬送された患者が、医師らの説明・説得に応じず検査の続行を拒否して帰宅後死亡。医師に過失は認められないとした地裁判決」 札幌地裁平成13年4月19日 判例タイムズ1116号249頁 (争点) 担当医師らに、搬送の際、診断・検査を続行すべき義務、経過を観察すべき義務、他の適切な医療機関に転送すべき義務に違反した過失が認められるか (事案) Aは、妹ら3人を乗せて酒気を帯びて運転していたところ、平成7年12月31日午前1時35分ころ、S市の交差点においてスリップし、信号待ちしていた大型トラックに衝突し、A及び同乗者が負傷するという交通事故を起こした(以下、本件交通事故)。 Aは、同日午前2時20分ころ、救急車により、Y医療法人が開設・経営するY病院(以下、Y病院)に搬送された。搬送当時、Aは相当程度酩酊した状態であった。Aが搬送された当時、Y病院外科では、