海外の技術をもとに中国が開発した「和諧号」CRH380型。最高時速380キロの設計。一部路線は最高時速350キロを維持すると伝えられる=上海虹橋駅、吉岡写す東北新幹線はやてをベースに中国で生産した型の「和諧号」=山東省済南東駅、吉岡写す中国の主な高速鉄道路線 世界一の速さで国土を縦横に、と突っ走ってきた中国の高速鉄道がアクセルを緩めた。「調和」を意味する胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席の政治スローガンを名乗る「和諧(わかい)号」。その減速から、中国社会の悩みが読み取れる。 ■VIP運賃、庶民が敬遠 中国鉄道省は、7月のダイヤ改定に合わせて高速鉄道の最高速度を、基本的に300キロに引き下げる。盛光祖鉄道相は「安全に余裕が生まれ、運賃も多様にできる」と話す。 「380キロで開業、いずれ400キロ超」(同省前運輸局長)としてきた北京―上海間(1318キロ、6月末開業)は、250キロの列車も