「コミックトム」誌上で15年の歳月をかけて描かれた「三国志」の連載が、1987年3月号で終了。間を置かずして、巨匠は新たな大型連載に取り組みます。 秦の始皇帝即位から始まり、楚の項羽・漢の劉邦による天下統一への戦いの軌跡をダイナミックに描いたこの新連載は、読者を狂喜させました。 その後「項羽と劉邦」は新書版(全21巻)、文庫版(全12巻)、新装版(全12巻)のコミックとして刊行され、いまも新たな読者を獲得し続けています。 春秋戦国時代に終止符をうった秦王・政は始皇帝と名乗り、栄華を極めた。しかし、その暴虐の政治を恨む者は数多く、常に暗殺の危機に見舞われていた。そして何より、人間には寿命がある。あの手この手で長寿を願った始皇帝だが、巡行の途上でこの世を去る。その時、宦官・趙高にある野望が芽生える。 趙高の専横により天下は乱れ、人々の苦しみ、恨みは頂点に達した。各地で反乱の機運が高まる中、沛県