「情報通信産業を強くすることが、日本の将来の発展の為に不可欠」ということは、どうやら誰にも異論のないコンセンサスのようです。従って、「日本の情報通信産業全体にとって一つの大きな存在であるNTTの在り方について議論する時にも、先ずはこの観点から議論するべきであり、『とにかく大きすぎるから分割しろ』等というのはおかしい」という原口総務大臣などのご見解にも、私としては、全く異論はありません。 しかし、「本当に日本の情報通信産業を強くしたいのであれば、NTTの現在の組織を変えることは不可欠である」ことも、先ず間違いはないように思えます。理詰めに考えていくと、どうしてもそういう結論になってしまうので、これは悪しからずご理解頂くしかありません。それが何故かについては、以下にその根拠を申し上げますので、よろしくご検討下さい。 その「第一の根拠」は、「技術開発力」の問題です。 10年前のNTT分割論議の際