僕が面接官をするときに、よくたずねることがあります。 「あなたがもっとも長く続けてきたことはなんですか?」 勲章でも、宝島の地図でもなく、どんな舟に乗っているのかという習慣を知りたくてそんなことを聞きます。 感心してこちらが身を正すような回答に出会うこともあるし、たぶんこちらの聞き方が悪いせいでうまく答えを引き出せないこともあります。長く継続している習慣ほど無意識のうちに行ってしまっているもので、とっさの質問では意識下に浮かんでこない、という事情もあるかと思います。だからそれだけで何かを測れるとは思っていないんだけど、僕自身が興味を持っていることなので、わりとよくたずねるわけです。 いつだったか、不思議なことがありました。 中途採用面談で社をたずねてきた男の自己紹介と志望動機を聞きながらいつものようにメモをとっていると、話の内容が手元のレジュメとずいぶん違っていることに気づいたんです。とい