(KADOKAWA・1296円) 読者のすぐ横で語るように 星野源(ほしの・げん)さん ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」できまじめサラリーマンを演じ、作詞作曲した主題歌「恋」に合わせて踊るダンスはキャロライン・ケネディ駐日米大使(当時)をも夢中にさせた。演技に、音楽に充実した活動が続くマルチな才能のもう一つの肩書が文筆家だ。2014年から続く月刊誌の連載エッセーをまとめた。 自曲「ある車掌」の一節「人のかたち 遺伝子の乗り物です」に込めた「今の命も乗り物」との思いと、テレビの紀行番組「世界の車窓から」より着想したタイトル。「病気療養期間の1年間、ずっと一人。自分と向かい合い尽くした感がありました。だから目線が外に向いていったのです」。窓の先へまなざしを送り始めた当時を振り返る。