肝心な時に電話がつながらない---。東日本大震災はライフラインとなった携帯電話のネットワークに大きな課題を残した。その教訓から、総務省主導で野心的なプロジェクトが進行している。携帯コア網をすべて仮想化し、災害時には音声サービスへ多くリソースを割り当てることで、つながりやすい携帯電話システムを作ろうという取り組みだ。 東日本大震災時には、安否確認のために通常の50倍もの音声呼が集中し、広い地域で携帯電話が使いにくくなった。大量の呼の集中によって、携帯コア網の交換機の処理能力が不足し、輻輳が発生したからだ。 これをきっかけとして、総務省主導で、音声が集中する災害時でも携帯電話をつながりやすくする研究開発プロジェクトが進行している。通称“50倍プロジェクト”と呼ばれるこの研究開発を受託したのは、NTTドコモ、NEC、富士通、東北大学など。プロジェクトの中心人物であるNTTドコモ 先進技術研究所研
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