野村総合研究所で約20年間勤務した後に、人材派遣大手スタッフサービスのCIO(最高情報責任者)を務めて急成長を支え、『ダメな“システム屋”にだまされるな!』(日経情報ストラテジー編)の著者でもある佐藤治夫氏が、情報システムの“ユーザー企業”の経営者・担当者の視点から、効果的な情報化のための発想法を解説する。(毎週月曜日更新) 前回(第32回)は、選挙での得票を意識しなければならない政治家よりも、原則として定年までの雇用が保証される官公庁の職員・官僚のほうが、社会を変えるのに必要な情報収集・情報発信の役割を担うのにふさわしいことを説明しました。 ただし、現実には官公庁の情報収集・発信には様々な課題があります。以下で、厚生労働省、金融庁、総務省などの個別の事例を紹介します。 7億円IT投資でも合理化されない病院経営 例えば厚労省が所管する病院の会計システムには問題があります。あまり目立たないと