ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (6)

  • 神的存在を人格化せずにはいられないのはなぜなのか──『人類はなぜ〈神〉を生み出したのか?』

    人類はなぜ〈神〉を生み出したのか? (文春e-book) 作者:レザー・アスラン出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2020/02/10メディア: Kindle版人類はなぜ神を生み出したのか。神話の中にいる神はたいていの場合人間形態で、超越的な力を持っていながらも同時に歪みもあれば洗練されてもいない実に人間的な存在として描かれていることが多い。とはいえ、神を人間を遥かに超える能力を持って場合によってはこの世界を創造したりしなかったりした超常的な存在だと考えれば、もっと抽象的でもやもやとしている存在であってもおかしくなさそうである。 なぜ、神は今のような形で我々によって作り出されたのだろう? 我々は神をどのような理由で作り出したのだろう? 人類の生存上理にかなっていたからなのか? それとも、偶然に生まれえたのか? たとえば、ドイツの哲学者ルートヴィヒ・フォイエルバッハは、〈神〉概念が成功し

    神的存在を人格化せずにはいられないのはなぜなのか──『人類はなぜ〈神〉を生み出したのか?』
  • 兵站に焦点をおいたミリタリーSF──『星系出雲の兵站』 - 基本読書

    星系出雲の兵站 1 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 林譲治,Rey.Hori出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/08/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見るミリタリーSFといえばおおむね超光速航法があり、人類よりも高度な技術力を持つ敵エイリアンがいて、英雄的艦長がいて、とお約束がある。当然すべてが同じではつまらないので、それぞれの作品ごとに、お約束をちょっと外してみたり、”どこにこだわるか”を決め(キャラクター性だったり、艦隊戦の描写だったり、兵士たちの感情だったり、経済に注目してみたり)特色が出てくるものなのだが、林譲治による作『星系出雲の兵站』でこだわっているのは、書名にも入っている通り”兵站”だ。 書のあとがきは『子供の頃から疑問に思っていたことに、TV・映画などで地球を侵略に来る宇宙人への疑問があった。どうして彼らは地球人より高度な技術を持っているのに、負けて

    兵站に焦点をおいたミリタリーSF──『星系出雲の兵站』 - 基本読書
  • あなたはなぜ特定の色を好むのか?──『好き嫌い―行動科学最大の謎―』 - 基本読書

    好き嫌い―行動科学最大の謎― 作者: トムヴァンダービルト,桃井緑美子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るあなたは何色が好きですか? と聞くと大抵の人はペラペラとこんな色が好きですと答えてみせる。初対面同士の飲み会ならなんか嫌いなものorべたいものでもあります? と聞くものだし、映画小説など、作品を鑑賞する際にも、好みは密接に関わってくる。人型ロボット物は嫌い、という人もいれば人型ロボット物ならなんでも好き! という人もいるものだ。 その違いはなぜ発生しているのだろうか? べ物に関してはアレルギーなどがあるだろうが、そうでない場合は何が関係しているのか? 育ってきた環境の違いか、はたまた甘いものを好むように進化論的に脳に組み込まれているのか? 日々の選択は現在、未来の嗜好にどのような影響を与えていくのだ

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  • サイエンス・フィクションとしておもしろい──『全脳エミュレーションの時代:人工超知能EMが支配する世界の全貌』 - 基本読書

    全脳エミュレーションの時代(上):人工超知能EMが支配する世界の全貌 作者: ロビン・ハンソン,-,小坂恵理出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2018/03/01メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る全脳エミュレーションの時代(下):人工超知能EMが支配する世界の全貌 作者: ロビン・ハンソン,井上智洋,小坂恵理出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2018/03/01メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る特定の人間の脳をスキャンしてから、脳細胞の特徴や結合をそのまんまコンピュータモデルとして構築・再現した存在のことを書では全脳エミュレーションと呼んでいる。そうしたコンピュータ・モデルとなった元・人であるエム(──書では一貫してエムと呼ばれる)は、いったいどのような社会を築き上げ、どのようなルールや

    サイエンス・フィクションとしておもしろい──『全脳エミュレーションの時代:人工超知能EMが支配する世界の全貌』 - 基本読書
  • ワクチンに恐怖を感じる心理──『反ワクチン運動の真実: 死に至る選択』 - 基本読書

    反ワクチン運動の真実: 死に至る選択 作者: ポールオフィット,ナカイサヤカ出版社/メーカー: 地人書館発売日: 2018/05/14メディア: 単行この商品を含むブログを見る最近、麻疹が流行っている。日では一度ほぼ根絶状態まで持っていった麻疹だが、他国ではまだまだその猛威を奮っており、ワクチンや予防接種の状態が万全でなければ簡単に輸入してしまう。さらに、感染がまた起こったのは、日では現在MRワクチンの接種回数を2回に定めているが(1歳から2歳までに1回、5歳から6歳までに1回)、一時期この回数が1回のみだったことなどが関係しているとみられている。 僕も書を読むまでは知らなかったのだが、こうした状況は、アメリカではさらにひどいことになっているようだ。2009年から10年の間にニューヨーク市とその周辺で3500件のおたふく風邪が報告され、10年には百日咳で子ども10人が死亡した。12

    ワクチンに恐怖を感じる心理──『反ワクチン運動の真実: 死に至る選択』 - 基本読書
    gentleyellow
    gentleyellow 2018/05/11
    "『知ってるつもり――無知の科学』では、人の知識や信念は周囲の人々、コミュニティによって決まるので、個人ではなくコミュニティ全体へと働きかけよと説く。"
  • 世界はぐんぐん良くなっている──『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』 - 基本読書

    進歩: 人類の未来が明るい10の理由 作者: ヨハンノルベリ,Johan Norberg,山形浩生出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2018/04/24メディア: 単行この商品を含むブログを見る「10の理由」とか、やけにアッパーな書名が全体的に怪しいものの、訳者が山形浩生さんだったので読んだらこれがちゃんと当たりであった(いちおう弁護しておくと、人類の部分は邦題オリジナルだがそれ以外はおおむね原題通りである)。 内容としては至極単純で、「世界はどんどん前よりも良くなっている」というだけの話ではある。実際、それはその通りだ。『暴力の人類史』など、近年のノンフィクションを読んでいる人間なら「知ってる知ってる。暴力も減って栄養状態もよくなって差別も減って、現代サイコーだよね」と頷くかもしれないが、実は多くの人は世界は悪化しつつあると思っている。たとえば著者によると、イギリス、オーストラリア、

    世界はぐんぐん良くなっている──『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』 - 基本読書
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