新型コロナの第8波は、2万人を超える過去最多死亡者数を記録する波となりました。コロナ病棟では、たくさんの高齢者が亡くなりました。「5類感染症」への移行に際して、医療提供体制の議論は避けられません。 第8波は大変な波だった新型コロナのウイルス性肺炎の重症度が高く、呼吸不全の患者さんが次々入院して医療逼迫したのは第4波・第5波でした。しかし、第7波・第8波は高齢者施設クラスターが頻発し、高齢患者さんが雪崩のようにコロナ病棟に押し寄せました。 一人ひとりのウイルス性肺炎は問題になりませんでしたが、基礎疾患や二次的な誤嚥性肺炎・細菌性肺炎が被害を大きくしました。最前線にいる救急隊員や看護師にとって、体感としての医療逼迫は第8波が過去最悪だったかもしれません。 第8波の累計死亡者数は、第7波のそれを大きく上回り、現在2万人を超えています(図1)。入院によって体力が落ち衰弱後に亡くなったり、寝たきりに