※本記事は連載で、全体の目次はこちらになります。第1回から読む方はこちらです。 現代の公衆衛生と医療が行き渡っている先進国でも、感染症と政治的志向(部族主義)が密接に関係していることが数多くの研究で明らかにされています。つまり、慢性的か危険が高まった状況だけかに関わらず感染を恐れている人は、自民族・自集団中心主義の傾向があり、ほとんどの場合、家族や身近な仲間など、よく知っている人ばかりと交流します(注23)。これは、接触を必要最低限にすると同時に、病気になってもこの親密な内集団なら世話をしてくれたり援助してくれる見込みが高いからです。 このような研究のなかでも最大級の規模と綿密な照査を誇る実験は、マイケル・バン・ピーターセンとリーネ・アーローが実施したものです(注24)。彼らは、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)にある州ごとの感染症発生率のデータに基づいて分析を行い、考えられる限りの変
![感染症・寄生生物とよそもの嫌い(ゼノフォビア)【連載】人を右と左に分ける3つの価値観 ―進化心理学からの視座―|上原博明](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e8d7812985637a7836e52e726eaf99e1a012ef2b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F55249883%2Frectangle_large_type_2_098c6f3c018ff3b319539eb5b3316c13.png%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)