<ソウルの日本大使館が差し押さえられ、「現金化」もされかねない事態を招いたのは、モノ言わず戦いもしない日本外交だ> 2020年、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、日韓関係の悪化が霞んで見える状況が続いてきた。本コラムでも述べて来たように、この年の8月には、元徴用工問題での被告側日本企業資産の「現金化」や日韓GSOMIA破棄期限等があったにも拘わらず、両国関係は一昨年の様に緊張せず、以後も相対的に平穏な状態が続いてきた。 しかしながら、明けて2021年1月8日、韓国から日韓関係を大きく揺るがしかねないニュースが飛び込んできた。即ち、ソウル中央地方裁判所による、慰安婦問題に関する判決である。この裁判は、日本軍の元従軍慰安婦12人(故人を含む)が日本政府に損害賠償を求めたものであり、ソウル中央地方裁判所は原告の請求を認め、日本政府に1人当たり約950万円(1億ウォン)の賠償を命じる事と