長崎市の南西に浮かぶ「軍艦島」(正式名称:端島)といえば、廃墟好きを中心に、多くの人に知られている近代遺産だ。石炭採掘のために開発された島は、まさに”廃墟の王様”の名に劣らず、圧倒的に異様な外観で見るものを惹き付けている。2008年には文化庁の世界遺産暫定リストにも登録され、目下ユネスコに世界遺産登録申請中の軍艦島には、日本だけでなく、アメリカやフランス、ドイツのクルーまでもが取材に押し寄せるという。 しかし、そんな軍艦島は、これまで安全上の理由から一般客には開放されておらず、クルーズ船で海から眺めることしかできない「遠い島」だった。そんな事情から不法に上陸をする不届き者が後を絶たず、安全面の不安やマナーの悪さなどが指摘されていた。 そのような状況を打開するために、地元長崎市では軍艦島を本格的に観光施設として整備しようと目論んでおり、この春から遊歩道が敷設される予定だ。これでようやく憧れの