今から1年ほど前、夏もうだるような暑さのなか僕は東京に引っ越してきた。前職を辞めて1ヶ月、東京で職につくためにバカみたいに高い初期費用を支払って、単なる利便性だけの理由で、欲しくもない「デザイナーズマンション」という冠をつけたこのマンションに住み始めたのだ。 田舎育ちの僕と東京という都会 岡山生まれ岡山育ち。岡山といえど郊外で、生粋の田舎っ子である。幼少期には公営団地に住んではいたが、そこに「最寄りの駅」はなく、車が唯一のライフライン。バスが走ればいいほうで、車がないと日々の買い物にも困るようなところだった。中学は数キロも離れているのに自転車通学が許されておらず、周りが隠れて近くまで自転車で通っている中、真面目な自分は毎日徒歩30分以上かかる道をRTAのように早足で通い続けた。家に帰ればインターネット。2chやチャットに没頭していた。休みの日には家族みんなでショッピングモールに行き、その帰
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