違法適用の疑いが285事業場ーー。厚労省が8月7日に公表した「裁量労働制」の自主点検の結果だ。 裁量労働制は、実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ取り決めた時間分働いたと「みなす」制度のこと。「企画業務型」と「専門業務型」の2タイプがあり、適用できる業務が決まっている。 しかし、この285事業場については、対象外の業務をさせていたという。また、ガイドラインでは、企画業務型について「少なくとも3年ないし5年程度の職務経験」を経たうえで、一定の知識・経験等を持っていることを目安としているが、33事業場で守られていなかった。 この調査は、制度を適用している1万2167事業場が回答したもので、全体からすれば違反は少数だ。ただし、「自主」点検なので実際の違反数はもっと多いと考えられる。 裁量労働制は、適切に運用されれば、労働の柔軟性を高めうるが、実際には残業代の抑制などにも使われている実態がある。
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