「右傾化」が言われる。反中嫌韓、愛国心、そして憲法改正…。右の立場から長く日本の変遷を見つめてきた新右翼団体「一水会」顧問の鈴木邦男さんは、今の日本に「子どものような稚拙な議論」「国家主義の強制」を見る。そして謙虚さと寛容さを忘れた日本は、歯止めを簡単に越えるのではないかと危惧する。海外派兵も徴兵制も、そして戦争も。(記事は2014年6月21日に配信。肩書などは当時) 愛国が汚れた義務に 自由失う憲法改正 鈴木邦男さんに聞く ―鈴木さんが右翼運動に入った1960年代は政治の時代でした。あれから半世紀です。 「最近、月に1冊も本を読まない学生がたくさんいると聞いて驚きました。私が学生の頃は、思想家の全集を一生懸命読んだ。私は右だったが、左翼の本も読まされて相手の立場を理解した。ところが、今は対談しても接点を探すのでなく何でもつぶそうとする。瞬間に反応を求められ、立ち止まってじっくり考えたり