■都心活性化めざす 札幌市は、市街地の南西部で運行している市営の路面電車を延伸する方針を固めた。今後、延伸先や採算性について具体的に検討していく。路線の赤字体質を改善し、将来は市街地への自動車の乗り入れを抑制して環境対策に役立てながら、中心市街地の活性化も目指すとしている。 同市は冬季五輪開催を間近にひかえた1971年に地下鉄を開業。同時に、最盛期には25キロあった路面電車の廃止を進め、74年以降は西四丁目―すすきの間1路線(8・5キロ)だけの運行となっている。富山市が2006年に次世代型路面電車システム(LRT)を導入するなど、地方都市では全国で路面電車見直しの機運が高まっている。 同市市民まちづくり局によると、延伸先の候補は(1)札幌駅など都心地区(2)苗穂駅周辺など北東方向(3)市立札幌病院などのある北西方向(4)山鼻南地区など南方向の四つ。各方向とも事業費は40億〜50億円と