“世界一の公共図書館”は、なぜフィンランドから選ばれたのか? その理由を探るためヘルシンキを訪れた。 2020.06.02 写真・文:中島良平 550万人の人口に対して、年間に6800万冊の本が図書館で貸し出されているというフィンランド。2018年に開館したヘルシンキ中央図書館が斬新な建築と優れた設備で話題になると、他の図書館も改めて来館者を集めるようになったという。ヘルシンキで3つの図書館を訪れ、その魅力と背景を探った。 10万冊の書籍が並ぶヘルシンキ中央図書館3階のコンセプトは「本の天国」。背の低いアルミ製の本棚を採用したのは、空間の圧迫感をなくすことと、車椅子の来場者もすべての本を簡単に手に取れることを考慮して。 2018年12月にオープンし、翌年には国際図書館連盟(IFLA)主催の「2019年公共図書館アワード(2019 Public Library of the Year Awa