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<この国はどこへ行こうとしているのか> ◇1000年先を見なければ--梅原猛さん(86) 「ちょうど新幹線が青森まで延びて、東北に光が当たりだした、まさにそんなときでしたからなあ……」。梅原猛さんの顔は憂いを帯びていた。この3月20日で86歳になったばかり。京都の「哲学の道」近くの自宅は祝いの花かごであふれながらも、マグニチュード9・0の巨大地震は遠く離れた古都の哲学者の心を大きく揺さぶっていた。 根っからの京都人のように見られがちだが、仙台市の生まれ。「母は私を産んですぐ結核にかかり、私の生後1年3カ月で死にましてね。それで伯父に引き取られ、愛知県で育ちました。母の出身地は宮城県石巻市の渡波(わたのは)というところです。網元でした。ただ養父母は昔の話を語らなかった。だから、東北の記憶がない。いや、あったかもしれんが、自ら否定したんでしょうな」 そんな東北を旅したことがあった。1983年、
書名の「御消息」とは、親鸞聖人が関東から京都に帰られて遷化されるまでに、関東各地の門弟に与えられた手紙のことである。43通あって、そのほとんどは『御消息集』『血脈文集』や従覚上人が編集された『末灯鈔』などに収録されているが、近年公表された真蹟消息や古写本等も含まれている。その内容は門弟の質問に対する返事や聖人の身辺のことであり、門弟からの懇志に対するお礼に添えて書かれたものなどもある。これらの消息集におさめられたものには、互いに重複するものや、真蹟などとの異同が認められるものがある。このため『浄土真宗聖典』では、年代の確定できるものおよび年代の推定が確実視されるものを年代順に、ついで年代の推定に疑問が残るものおよび年代が不明のものを月日順に配列する編綴方法をとり、書名については『親鸞聖人御消息』としている。 この消息を通して、関東の門弟たちの間で、教義的にどのようなことが問題になっていたか
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