2001年から始まったエジプトにおける同性愛者にたいする取り締まりの強化や、2005年のイランでの同性愛行為が理由といわれる少年2人の処刑のニュースのおかげで、イスラム教あるいはイスラム国家は、同性愛や同性愛者にたいして非常に厳しいという印象をもたれている方も多いと思います。 しかし、イスラム原理主義が台頭する前のイスラム社会は、同性愛にたいして非常に寛容な社会でした。 ゲイ・オリエンタリズムに書きましたが、欧米キリスト教圏で同性愛が厳しく弾圧されていた19世紀から20世紀半ばにかけては、同性愛にたいして寛容なイスラム世界は、欧米の同性愛者にとっては天国だったのです。 イギリスのE・M・フォスターやオスカー・ワイルド、フランスのアンドレ・ジイド、アメリカのポール・ボールズやウイリアム・バロウズ、等の作家を含む多くの欧米人同性愛者が、ホモフォビアの強い故国を逃れて、北アフリカに渡り、現地のア