複数の言語を習得する過程で、吃音による身体的コミュニケーションの煩わしさから逃れるために、書き言葉の領域に没入した果てに辿り着いたのが、非言語的な表現の世界だった。 はっきりとは思い出せないが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校UCLAのデザイン/メディアアートDesign/MediaArts学科に入学した背景には、子どもの頃からゲーム機やコンピュータといったデジタル機器に慣れ親しんできたということも大きな後押しになった。情報技術で遊ぶ側から、今度は作る側に移るという考えには単純に興奮させられたのだ。それと同時に、高校の哲学の最終課題で対象とした「芸術に人間は何を求められるのか?」という問いに向き合うためには、自分の手を動かさなくてはわからないだろう、と朧げながら考えていたようにも思う。なにより、哲学の論文を書きながら感じたことは、言葉でしか記述できないこともあるが、言葉では決して記述できな