市場取引で価格が決まる株式を中央銀行が買い支えるという、主要国に例のない政策を日銀が始めて10年がたった。日銀の上場投資信託(ETF)購入は、株式市場をゆがめる以外に、富裕層に恩恵が偏る格差助長の問題もはらむ。だが、「日銀頼み」の市場では売却のそぶりを見せただけで株価下落を招きかねず、日銀は引くに引けない状態だ。(皆川剛)
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日銀が日本株最大の株主になったとみられることが28日分かった。株式を集めてつくる上場投資信託(ETF)の保有額は既に時価で45兆円に達し、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の日本株保有額を抜いたもようだ。日銀による株価の下支えは、金融システムの安定につながったと評価される一方、企業の価値を適正に評価する市場の機能にゆがみをもたらしたとの批判もある。 日銀は10年前の2010年12月にETF購入を開始。現在は原則として年6兆円のペースで買い入れているが、必要に応じて12兆円まで購入を増やせる。 ニッセイ基礎研究所の井出真吾上席研究員の試算によると、日銀のETF累計買い入れ額は10月末時点で35兆円に達した。今月25日には時価ベースで45兆1600億円となり、GPIFの保有額を300億円程度上回った… この記事は有料記事です。 残り310文字(全文667文字)
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