【ローマ福島良典】キリスト教カトリックのトップであるフランシスコ・ローマ法王が、過激派組織「イスラム国」(IS)対策でロシア側と連携すると同時に、断交中の中国に秋波を送る「東方外交」を展開している。今月12日にロシア正教会のキリル総主教と法王として史上初めて会談し、中東のキリスト教徒保護で共同歩調を打ち出す見通し。中国の習近平国家主席には、8日の春節(旧正月)を前に、関係改善を促すメッセージを送っている。 バチカン(ローマ法王庁)のロンバルディ報道官は毎日新聞の取材に「カトリック信徒も正教徒も中東の宗教少数派として暴力の犠牲になっている」と指摘。ISの迫害からシリアやイラクのキリスト教徒をいかに守るかが東西教会トップ会談の主要議題になるとの見通しを示した。