(2010年7月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) もし欧州連合(EU)が銀行のストレステスト(健全性審査)に適用した方法を使って自動車や玩具の安全性を試そうとしたら、刑務所送りになるだろう。なぜか。単純に言って、テストの仕組みが結果を操作するよう調整されていたからだ。 テストの目的は、どのみち整理しなければならない銀行だけが不合格となることを確実にすることだった。同時に、この妙案とされるものは、残りの銀行システムは健全だということを外の世界にはっきり示すはずだった。世間をあざ笑うようなテストの目的は、EUが実際には問題を解決していない時に、解決している振りをすることにあった。 この策略がうまくいったかどうか判断するのは早計だ。だが、結果が公表された7月23日夜の事情通の反応を見る限り、うまくいかなかったのではないか。期待はあまり高くなかったが、EUは最も低い期待も満たせなかったので