2008年、社会を震撼させた連続幼女殺害事件の宮崎勤死刑囚の刑が施行された時、私は親が亡くなった時と同じくらい衝撃を受けた。死刑確定から執行まで、当時としては異例なほど期間が短かったからだ。社会的には凶悪犯とされた人物であっても、12年間もつきあってきた人間が処刑されたことは私には重く受け止められた。 そして2013年2月、死刑確定前に深くつきあった奈良女児殺害事件の小林薫死刑囚が処刑された時にも私は衝撃を受けた。同じ日に土浦無差別殺害事件の金川真大死刑囚も執行されたのだが、同時に処刑された3人のうち2人が私の知り合いだった。これは偶然ではなく、その2人がいずれも自ら死刑を望んで刑を確定させたという事情を抱えていた。 宮崎勤の処刑は、鳩山邦夫議員が法務大臣に就任し、死刑執行をベルトコンベアに載せるように行っていくと公言して最初に遂行したものだった。鳩山氏本人が見せられた資料の中から自分が知