DH鍵交換アルゴリズムが提唱されて間もなく考案されたのが、RSAアルゴリズムである。この名前は、発明者であるロナルド・リベスト(Ronald Rivest)、アディ・シャミア(Adi Shamir)、レオナルド・エーデルマン(Leonard Adleman)の頭文字に由来する。 RSAには、2つのプリミティブが使われている。公開鍵暗号アルゴリズム(非対称暗号)と、デジタル署名方式である。どちらも、暗号アルゴリズムとしては非対称暗号に分類される。これらのプリミティブのしくみと、それが有益な理由について説明する。 非対称暗号化と対称暗号化の違い まず、非対称暗号は、目的だけを見れば前述した対称暗号アルゴリズムと似ている。秘密を守るためにメッセージを暗号化するという目的だ。だが、対称暗号では2人の参加者が共通の対称鍵を使ってメッセージの暗号化と復号を行ったのに対して、非対称暗号は次の点でまったく
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