8月後半。オリンピックと夏のセンバツももうすぐ終わる。アブラゼミの声が心なしか小さくなり、ツクツクボウシがよく鳴いている。 井上章一さんのベストセラー著書「京都ぎらい」を読んで、京都の音楽文化についてふと考える。 来月発売になる「くるりのこと」では、京都でくるりがどのようにして生まれ、何にどう影響されてきたか、ということがかなり濃密に語られている。 「京都」というネーム・バリューはとても便利で、多くの分野や商品においてもその言葉は多用される(「小京都」とか「京風〜」とか)。 私は京都市北区というところ出身で、狭義の京都、すなわち洛中の人間ではない。 イメージの上での「京都」というのは御所を中心とした洛中(上京区、中京区、下京区、東山区)だと思っている。 日本のポップ音楽シーンにおいて京都のアーティストというと、フォーククルセダーズやウエストロードブルースバンド、村八分、ボガンボスなんかが我