鉄の作業場を処分して作業場の庭の蓮池も埋め戻し、素手でひと掬いした最後の粘土質の土くれを捏ねた。 何かを作ろうというでもなく、ただ土の感触を弄んでいた。 ヒトの掌や腕の構造が内側へ向っているからなのか、土くれは徐々に球体に近づいていく。 縄文人も水を掬い飲む時は、両掌を合わせ盌型にしたのだろうか。 土くれ球を眺めながら骨組みに潜むジカンの隔たりを想い、ド真ん中に突き立てた両の親指を引き抜くと、オレの指が空っぽのカタチになった。 他の指で押し広げながら起ち上げていると赤ん坊のアタマほどの空っぽの盌が出来あがった。 オレの土器ジダイの始まりだった。 I got rid of the iron workshop, backfilled the pond in the workshop garden and kneaded the last scoop of clayey soil with my