アンネ・フランクや、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホなど伝記の登場人物の顔を、そのまま立体にデザインした本。 僕は書店に入ると、まず平台に積まれた本の表紙を見る。そして、自分の目に飛び込んでくるブックカバーを選ぶ。表紙は本の顔、その表情のインパクトにつられてつい手に取る。中身を予感させるタイトルのテキスト、内容を予告するイラストや写真などでデザインされた本の装丁を見ては、また引き寄せられる。そうして手に入れた良い本は熱中して読む、ページの残りが少なくなり、ついに読み終わったときに虚無感に襲われ、あらためてカバーのビジュアルを見ると作者の意図がわかったりする余韻の楽しみもカバー・デザインにはある。 ちなみに最近雑誌で見かける推薦本コーナーでは、表紙だけが平坦に写っている写真ではなく、本を立て背表紙や天(小口の上部)までも写っている写真が増えた。ブックカバー・デザインはグラフィック(平面)でもある