(※本記事は11月26日に配信された「高野孟のTHE JOURNAL」の一部を掲載したものです) 野田佳彦首相は、かねて「民主党の『民主リベラル』という思想には違和感がある」と言ってきた。私に言わせれば、リベラルは民主党のアイデンティティそのものであり、その党に野田がいて、しかも、あろうことか代表=首相になってしまったこと自体に違和感がある。この総選挙が訳の分からないものとなった根源は、そこにあったのである。 11月15日付のMNS産経ニュースはこう書いている。 ▼民主党よりも「保守政治家」をアイデンティティとする首相と、党の組織防衛を優先する輿石氏が折り合えないのは当然だった。 ▼かねて「民主党の『民主リベラル』という思想には違和感がある」と漏らしてきた首相は、たとえ下野しても民主、自民、公明3党の枠組みで政治を進めていけると信じている。赤字国債発行を27年まで自動的に認める特例公債法案