山口の紳士服店を一大企業へと成長させた柳井社長、そしてその周辺へのインタビューを通して、ユニクロの経営手法と働く現場の光と影を浮かび上がらせたドキュメント。少々取材対象を悪く言う方向が強い部分がないではないが、全般としてはとても中立的に書かれていて、むしろ、大きな会社とはそんなものだろう、という納得感があった。この部分は人により感想が違うかもしれない。 なんというか、社長は、自分がほぼ一人で店長として切り盛りしていた山口時代の仕事の楽しさと厳しさ、自分で何でも決めてやっていく自律の精神、それを通じて成長していくことの楽しさを、社員にも感じて欲しいと純粋に思っているだけなのだろうと感じた。インタビューで言われていた「内気な青年」が変わった体験を、社員にもしてほしいのだろう。 もちろん、抱えているもの(家族だとか)や能力は一人ずつ違う。それを丁寧にフォローできるだけの小さい会社ではもはやないの