で入力をとおいたもの,あるいは,何らかの状態フィードバックを施して入力の影響を取り除いたシステムであると考えることができる点に注意する. システム(17.1)の原点の安定性を,次のように定義する(図5.4参照). 任意に与えられた に対して適当な が存在し,時刻に を満たす任意の初期点から出発した(17.1)式の解が,それ以後すべての時刻において を満たすならば,原点は安定であるという. 原点が安定で,かつ適当なが存在して, を満たす任意のから出発した解のノルムが,時間の無限の経過と共にに収束するならば,すなわちのとき ならば,原点は漸近安定であるという. たとえば,図5.5に示すように,曲面上を下向きの重力を受けた球がころがるときは安定(摩擦なしのため底点に近いところで振動し続ける),は漸近安定(粘性摩擦のため時間無限大では底点に静止),の平衡点は安定ではない(初期点が多少でもずれると移