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そごう・西武の労働組合が百貨店としては61年ぶりとなるストライキを決行した。今回のストは単純な賃上げを目的としたものではなく、企業の売却やそれに伴う人員整理、さらには百貨店のあり方そのものを問う複雑なゲームとなっている。背景となっているのは、日本経済の根本的な大転換である。 組合がストを決行した理由 日本におけるストライキの件数は、1973年の5141件をピークに減少の一途をたどっており、2022年はわずか22件だった。バブル崩壊以降、日本企業の経営体力は著しく低下しており、労働者としては、賃上げを要求しても会社が倒れてしまっては元も子もないとの意識が働くようになった。組合は強気の交渉を避けるようになり、これがストライキの減少につながっている。 今回は久しぶりに本格的なストライキが実施されたわけだが、直接的な要因となったのは、そごう・西武の親会社であるセブン&アイ・ホールディングスが、業績
建設業の倒産増に歯止めがかからない。2023年に発生した建設業の倒産は、8月までに1082件発生した。既に22年通年の件数(1204件)に迫るほか、8月までの累計で1000件を突破したのは2017年以来6年ぶりだった。また、6月に単月で160件に達し、2014年10月以来約9年ぶりの高水準となった。このペースで推移すれば、年内の建設業倒産は1600件を超え、過去5年で最多となることが確実となった。 倒産の要因としては、引き続き「物価高」の影響が続いた。22年に比べると価格の上昇は穏やかなものの、鉄骨や木材などの建設資材価格の上昇が止まらず、建設業倒産のうち物価高が要因となったものは最大で2割に迫った。 さらに、近時は職人の高齢化に加え、若手や新卒人材の応募が少ないなど、人材不足が目立つほか、給与に不満を持つ建築士や施工管理者など業務遂行に不可欠な資格を持つ従業員の離職・独立により、工事の受
博物館を訪れると、絶滅した恐竜や哺乳類、魚類など大昔の生き物の化石を間近で見られる。これらの化石標本に「複製」や「レプリカ」といった説明が付いているのに気付いたことはないだろうか。そう、展示されているのは必ずしも実物の化石とは限らない。腕利きの職人が本物と見分けがつかないほど精巧に作ったレプリカ(複製品)だ。中には、50年以上の歳月をレプリカ作りに注いできた〝レジェンド職人〟がいる。その職人が今年3月、引退した。 円尾博美さん(90)。本業は彫刻家で、主に国立科学博物館の研究者から依頼を受けて標本のレプリカを作ってきた。訪れた人の視線を釘付けにする迫力のある首長竜「フタバスズキリュウ」の全身骨格をはじめ、東京・上野にある同博物館の日本館で展示するレプリカの大半の製作に関わったという。博物館の展示と古生物研究を長きにわたって支えてきた円尾さんの足跡と功績を取材した。(共同通信=岩村賢人)
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